- 2006年3月14日
- 懐かしの「天国から来たチャンピオン」
新聞を読んでいたら、外資系金融機関出身で、M&Aのプロだという金融コンサルタントの方が、株式会社における経営の私物化を手厳しく指摘している記事がありました。
その方によれば、株式会社というのは、いわば「直接民主主義」の原理が働いているところで、株式を購入する、ということは、言ってみれば、その会社に「一票」を投じているのと同じこと、だということ。
その会社の経営内容に対して、「YES」と言えるからこその株式投資であって、環境問題や人権問題を無視した企業に対しては、世論が「NO」をつきつけるとともに、それが株価に反映する、という例をあげています。
そのような内容のことについては理解していたけれど、「株主民主主義」というのは、ちょっと面白い言葉だと思いました。
その記事を読んで、すぐに思い出したのが、高校生くらいのころに見た懐かしい映画「天国から来たチャンピオン」でした。
ウォーレン・ベイティが主演の映画で、アメリカン・フットボールの花形選手が、天国の神様の間違いで不慮の事故にあって死んでしまうのですが、神様のはからいで、もう1度、この世に生き返ることができて、その中でいろいろな話が繰り広げられるのです。
ただし、生き返ることができるのは、全く別人の身体を借りて、なんですが。
彼が身体を借りたのは、ある大企業の経営をする大富豪。自分がアメリカン・フットボールで選手としてもう1度プレイできるように、チームごと買い取ってしまったりします。
いきなり経営者になってしまった彼ですが、経営はもちろん素人。
そんな彼が、経営者会議の中で、自社の製品(確か・・・缶詰だったかな? このへん、ちょっと記憶があやふやです)が、環境破壊をしているということで批判を浴びていることを知り、コストをかけてでもそれを解決しようと提案します。
コストがかかりすぎる、ということで、他の首脳陣は反対するのですが、その彼は、「だったら、少しだけ値上げすればいい。環境に配慮している会社の製品だったら、少しくらい高くても、買いたいと思う人が多いはずだ。」と言い切るのです。
この考え方は、まさに、どのような企業判断が株主や世間に「YES」を言わせるか、とても良く理解したものだなあ、と、いまさらながら感心です(笑)。
ただ、確かその映画では、彼がこの決定にこだわったのは、気になる女性の気を引きたかった、というような動機があったはず。そこが、また可愛いんですけど。
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