日々の歩み

2005年10月1日
コーヒーショップinアムステルダム

「ミッドナイト・エクスプレス」という古い映画があります。
 トルコで、アメリカ人青年が麻薬の不法所持の罪で投獄される話。

 麻薬の所持が違法だという国だから、これは当然なこと。

 さて、夏期休暇、ドイツに行く途中にオランダのアムステルダムに行ったのですが、ここは、「大麻が合法」で有名な国です。

 街のいたるところに「コーヒーショップ」と言われる店があって、カフェ・スペースの奥では、大麻を買って吸うことができる(!!) (普通にコーヒーを飲みたい人は、「カフェ」という看板の店に入らなければなりません)。

 さて、日本人がアムステルダムのコーヒーショップで大麻を吸ったらどうなるの?ということを質問されました。

 日本の刑法は、原則的に、日本国内で罪を犯した場合について定められているのですが、刑法第2条では、特に重大な犯罪については、「(日本人も外国人も)国外で犯罪を犯した場合」についても、日本の刑法で罰せられることを定めています。

 どんな犯罪かというと、通貨偽造、内乱など、日本の国の秩序を乱すような重大な犯罪。これらは、日本人、外国人にかかわらず、海外で罪を犯した場合も、日本で裁判にかけられることになります。

 さて、大麻は、海外で買ったり吸ったりするのは問題ない、と思われている方も多いようなのですが・・・。

 これは刑法ではなく大麻取締法という法律が定めているのですが、大麻を所持したり購入したものについても、日本の刑法の第2条が適用されることになっています。

 つまり、日本人、外国人問わず、海外で大麻を買ったり吸ったりすれば、日本でも刑罰の対象になるわけです。

 細かい条文までチェックしていなかったので、その場では即答できなかった私ですが、海外で合法だからと言っても、必ずしも日本では合法ではない、ということを原則として考えていた方が良さそうです。

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