日々の歩み

2012年5月31日
スパイの国、盗聴の国、忍者の国

 中国外交官のスパイ疑惑がニュースとなっています。
 日本には、いわゆる諜報機関がない、と言われていますし、スパイ・・・なんていうと、私などは映画やドラマの中の世界のことのようで、ロマンチックにすら感じてしまう能天気さです。
 そして、思い出したのが、以前、私が担当した、被告人が某国(とここでは言っておきますね)の外国人であった刑事事件・・・。
 被告人が外国人の刑事事件は、何件か扱ったことがあるのですが、そのときの事件は、窃盗や覚せい剤事犯等などのパーソナルな事件ではなく、少し政治的な内容を含んだ事件。
 そのため、某国の大使館の職員2名も同席のうえで、会議室にて打ち合わせをすることになりました。
 すると、某国職員の一人が会議を始める前に、一言、「ここの事務所は盗聴されていませんか。打ち合わせをやっても大丈夫ですか?」と念を押して来たのです。これは、非常に新鮮な一言でした。
 「そのような心配はありません。」と言い含め、逆に好奇心で、「今までにそういうことがあったのですか。」と聞くと、「常に可能性があるので、警戒している。」とのことでした・・・。
 海外のジョーク集などを見ても、その国では盗聴・スパイは当たり前・・・という描かれ方をしているし、もしかしたら、その人たちも、盗聴をする側にいたからこそ、そのような心配をしたのかもしれません。
 こちらも、「心配ありません」と言ったものの、実のところはわからないのですけれどね・・・。

 では、本当に日本にスパイはいないのか?と安直にwikipediaを見てみると、一番最初に出てきたのが「公安」なのですが、これは違います。
 私が通っていた大学には、まだ学生運動の名残があって、赤いヘルメットや白いヘルメットをかぶって棒を持っている人が常にキャンパス内にいたため、いつも大学の近所を双眼鏡や、イヤモニターを着けて、キャンパスの動向をうかがっている警察の方々がいました。
 大学の前の道にコンビニの袋が怪しげに落ちていれば、「危ないから近づかないで!!」と、すごい勢いで学生たちを制止して、注意を促してくれたりもします。爆弾かもしれない、と思ったのでしょう。
 この方たちが公安です。全く潜むことなく、堂々と監視活動をしています。
 身を潜め、時には全く違う職業になりすまして情報を集め、時には一般市民を危険にさらすこともいとわない・・・そんなスパイとはちょっと違う。
 となると、日本のスパイ、間諜と言えば、やはり「ニンジャ」でしょう!
 テコンドーを通じて知り合う外国人は、もとも武道好きなだけあって、日本の「ニンジャ」等に、真剣に興味を持ってくれている人もいたりします。
 人知れず(?)開催されている「ニンジャ講習会」などというものに通って、手裏剣の使い方を教わったりした外国人も複数知っています(日本人の受講者はほとんどいないそうです)。
 そういう人の中には、「現代の日本には『ニンジャ』がいる。」と信じている人もいるので、「『忍者』は、昔の話で、今はもういないんだよ。」と、親切に教えてあげます。
 すると、「だって、ニンジャなんだから、普段から姿を見せるはずがないでしょう。」と、あきれながら、逆に教えてくれたりするのです。
 異国のスパイは、やはりロマンなんですね。

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