- 2007年4月24日
- 代理母と国籍法
最近、ある雑誌から、代理母出産について先日出された母子関係についての判決についてのコメントを求められました。
そのときには、最高裁判所の判断については「やむを得なかったのではないか。」という趣旨のコメントをしたのですが、もしかしたらコメントを求めた方は、それとは反対のコメントを期待していたのかもしれない・・・と、話をしながらチラリと思ったのでした。
最高裁判所が母子関係を認めれば、結局は代理母を日本が社会的に認知し、容認したもの、ということになるのでしょうが、まだ、日本ではそこまで代理母について社会的に認知されているのだろうか・・・という疑問がまずあったのでした。
そのため、最高裁の判断については、マスコミなどで言われるほどに「けしからん!」と同調できない部分がありました。
代理母については、法律よりもまず、医学会、そして社会の中で論じられる必要があるのだと思います。
実際、再婚の300日問題などに比べ、意外と代理母に対する反発を持つ人が多い感じがします。
1つの原因として、代理母を実現できるのは、非常に経済的に恵まれた人である一方、代理母になる方は経済的に余裕のない方が多いということ。なんというか、「格差社会」の縮図がそこに見え隠れしているところが、なんとなく抵抗感を感じる人が多い原因なのではないか、という気もしています。
私自身は、代理母よりも、外国人母と日本人父の間に生まれた子供の国籍問題で、出生前の胎児認知がされていれば日本国籍となるが、出生後の認知の場合には日本国籍は認められない、ということの方に、どちらかというと問題意識を持ってしまいます。
この問題は、最高裁でも違憲の疑いが強い、という判断の後、地裁では、出生後に認知された子が日本国籍を求めたい他裁判において、「日本国籍は認められるという。勝訴判決が出たのもつかの間、つい先日の東京高裁の判決では、逆転敗訴となってしまったのです。
これは、最終的に最高裁の判断にゆだねられることとなるのです。こちらは、ぜひ、逆転勝訴となってほしい。そう思います。