- 2019年11月7日
- ピアノの話~ガイアの饗宴スピンオフ@タカギクラヴィア松濤サロン
前回のブログ記事では、越生町の公民館にて行われたコンサート、「ガイアの饗宴」に、私も参加させていただいたことを書きました。
私も、無事、モーツァルトの幻想曲を弾ききることができ、、とても素敵な体験ができました。
そのときに、同じステージに登場したのが、世界のトップのピアノメーカー、スタインウェイ社が、第二次世界大戦、ベトナム戦争、朝鮮戦争、を通じて戦地の兵士たちのために製造した迷彩色のピアノ、
Victory GI。
それから3ヶ月、(=私がブログを放置して3ヶ月😅)
こちらのピアノを持っている、タカギクラヴィアさんの松濤サロンにて、このVictory GIをフィーチュアしたコンサートが行われました。
渋谷の街の人ごみを避けるようにして、Bunkamuraを通り越すと、松濤の落ち着いた街並みに。
そこにガラス張りのタカギクラヴィアのピアノサロンがあります。
高木裕社長は、会社経営の傍ら、ピアノ、調律に焦点を当てた執筆活動もされていて、
最近は、「ホロビッツ ピアノの秘密」という本を出版されています。
そして、ピアノを弾くのは、私のピアノの師匠である、Kuniko先生。
高木社長と、戦争ジャーナリストの小松万佐子さんのトークショーでは、
このピアノが発見されるに至った経緯、
戦時中は、ピアノメーカーも軍需産業として、その木工技術を供出しなければならなかったこと、
スタインウェイ社は、そんな中でも、ピアノメーカーとしての技術を維持するために、戦地にピアノを送り届ける、というアイディアで、戦時中もピアノ作りを続けることができたこと、
このピアノは、パラシュートで戦地に投下され、そこに置いて来られる運命についてあったこと、
だからこそ、現在、非常に稀少な存在であること、など、とても興味深い話がたくさんでした。
Kuniko先生は、Victory GIで、
ドビュッシーの月の光
ショパンのバラード1番
シューマン=リストの献呈、他の曲を披露してくれました。
普通のアップライトピアノよりもさらにコンパクトで、
並べてあるフルコンサートのグランドピアノに比べれば、決して良い音、とは言えないのですが、きちんと調整されていて、
やはりKuniko先生の奏でる音は、ピアノのポテンシャルが最大限に引き出されていて、とても素敵。
最後には、グランドピアノで、シューマンのトロイメライを披露してくれました。
戦火をかいくぐったVictory GIと、大きなホールで使用される、ハンブルグスタインウェイのフルコンサートピアノ。
その二台の運命に思いを馳せながら、音色を聞き比べることができる、
とても面白い趣向のコンサートでもありました。
次週には、同じく松濤サロンにて、ホロヴィッツが愛したピアノ、を使っての、ミニコンサートも行われる予定だそうです。
私も、何となくピアノを続けて来ましたが、
ここにきて、いろいろな出会いがあって、本当にピアノを続けていて良かった!
と思うのでした。
練習しなくてはね。