- 2008年7月18日
- ルール違反?(7/18更新)
裁判所や弁護士会にも地方色というのはあるようです。
私は、それほど多くの裁判所での裁判を経験したわけではありませんが、修習を大阪で過ごしていたので、大阪と東京の裁判所の雰囲気がなんとなく違うのはわかります。
あと、東京ではない某裁判所に、東京からの弁護士がやってきたときに、「東京の弁護士がまたこんなに書面をたくさん書いてきて・・・。」と相手方の弁護士がブツブツ言っていたのを聞いたことがありますし、「また東京の弁護士がごちゃごちゃ言っている。」と文句を言っているのを聞いたこともあります。
関東近県の裁判所でも、本庁ではなく、支部だったりすると、裁判所でも非常にゆったりとした時間が流れています。
裁判所の人と弁護士はみな顔見知りで、挨拶も気さくにしていたり。
東京では、裁判所の部もたくさんあるので、同じ裁判官に当る、ということはなかなかありません(ただ、そういう中で、なぜか当る裁判官には続けて当ったりするのですが・・・)。
数少ない経験上、東京の弁護士は書面の分量が多く、またごちゃごちゃと主張する人が多い、という感想を持たれているのかも。これもまた地方色。
ところで、先日、裁判所でバッタリと顔を合わせた相手方代理人の弁護士から「先生、裁判が始まってから仮差押するなんて、ルール違反じゃないですか。」と文句を言われたのです。
その事件では相手方の資産状況がわからず、裁判の過程で、相手方が出してきた証拠に資産のヒントがあったので、さっそく調査し「それっ!」とばかりに仮差押をしたものでした。
もちろん和解などは全くしていない、判決目指して一直線に進んでいた事件です。
最初、何を言われているのかわからなかったのですが、「裁判が始まってから仮差押をしない。」というローカル・ルールがあるのかしら?と、ちょっと悩んでしまいました。
そういえば、今までにも、相手方が裁判で出してきた証拠をヒントに、今までこちらで知らなかった資産を発見して、やはり「それっ!」と差し押さえ、元本+遅延損害金まですべて回収できたこともありました。
その証拠が出てきたとき、「まさか証拠に堂々と出してくるくらいなんだから、資産価値はないんだろうなあ。」と半ばあきらめ気味で、でも念のため調査をしたのです。
そしたら、抵当権も何もついていないまっさらな資産!
もしかしたら相手方の代理人は、「裁判が始まったら仮差押をしたりしない。」というルールがある、と思い込んでいたのかもしれません。
今まで最もラッキーだったのは、和解をした後に、逃げを打って支払をしなくなった相手方が、ある日突然、私に年賀状を寄越してきたこと。
なんでも、ある会社の取締役になったということで、その挨拶状を兼ねたものだったようです。
会社で取締役になり、名刺をもらったたくさんの相手に挨拶状を出した中に、相手方の弁護士であった私の名刺も紛れ込んでいたのでしょう。
やはり「それっ!」とばかりに取締役報酬を差し押さえると、新しい会社の社長さんが代わりに支払をしてくれて、めでたしめでたし、でした!
こんなのも「ルール違反」の範疇になるんでしょうか?
もちろん、そんなルールはないんですけどね!(と信じてるのですが・・・実はあったりして。)
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