- 2006年1月15日
- ヘルシーで美味しい解決
ある男性。
専業主婦をしている奥さんが外出や旅行などの用事で家をあけるとき、いつもは当たり前のように準備されている夕食がなくて、さぞ寂しいだろう、なんて思っていたら、「今日は、ファーストフードとか食べられる!」だとか「外食で好きなものを食べられる~」なんて喜んでいました。
しかも、そういう人は、私の周りだけでも、複数、見たことがあります。
もちろん、その奥さん達が、普段から手抜きばかりしていたり、とんでもなくまずい料理を作っているわけでは当然ありません(私も手料理をご馳走になったりしたことがありますが、みんな、とてもおいしかったですから・・・)。
なぜ、そういうことを彼らが言うか、と言えば、「奥さんの作る料理は野菜が多い」(=彼は野菜嫌い)、だの、「ヘルシーな料理ばかりで・・・」(=彼は少し太り気味?)だからなのです。それも複数の人が同じ理由で。
まあ、なんて贅沢なこと、と思うのですが、奥さん達は、みな、旦那さんの身体を気遣って、ヘルシーなお料理、お野菜を中心にしたお料理を出してくれているわけなのです。
そこで、彼らは、ジャンク・フードも食べたい! 脂っこいものを思い切り食べたい!という欲求を、奥さんが留守のときに果たすんですね。などという話をしていたら、弁護士の仕事というのも、健康に気を使う奥さんの手料理みたいなものかなあ、と思って、少しおかしくなってしまいました。
会社でも個人でも、基本的に弁護士に相談をするときには、自分の利益を追求するのが当然のところ。
そして、利益の追求の方法にもいろいろとありますが、弁護士は、その中でも、法律にのっとった、きわめて健全な方法をアドバイスするのが原則です。なので、ときには、「健康のために、利益の追求を我慢しなければならない場面」というのも出てくるわけです。
ところが、時には、法的にはちょっとおかしいことでも「何とかこの方法でできないものでしょうか」などと真剣に聞かれることもある。
そういうときに、弁護士としては、法的に問題が発生することを指摘し、その方法はすすめることができない、と言わざるを得ません。
また、いくつかの方法があって、いくつかの結論が見込まれる場合、弁護士としては、「最も法的に安全な方向」を示す習性があるのですが、「冒険的な経営者」という方はもちろんいるわけで、そういう場合には、最終的には弁護士の意見とは違う方法をとる場合もあります。弁護士は、健康な身体を保つことが第一で、美味しいことは、その次に考えることになる、という感じ、なんでしょう。
ただ、その中で、法的な安全性と、できるだけの利益の追求の両立ができれば、それに越したことはありません。
ということで、ヘルシーでかつ美味しいアドバイスができるように。そんな優しい奥さんのような弁護士になりたいものです(笑)。
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