- 2005年11月29日
- 構造計算書偽造問題!
先週から今週にかけて、やはりTVはこの話題で持ちきりでした。というのも、ヒューザーの社長自らが、TVにかなりの頻度で出演していたから・・・。
最初、一級建築士がTVの前に堂々と姿を現したのを見て、「何かおかしい・・・」という印象で始まり、その後、続々と画面に登場する関係者を見ても、その「何かおかしい」感は全く解消されないまま、現在に至っています。
誰もが「自分だけが悪いわけではない。」という開き直った姿で現れているのが、事の重大さと比べてあまりにも乖離しすぎていて、少し気味が悪い感じ。
なぜ、みながここまで開き直っているか、というと、それは、「最終的にこの建築物が国の検査を通ったお墨付きであった」という事実があるから、なのでしょう。
こんなふうにみんなが開き直っているうちに、最終的な責任は、国、特に行政という話にシフトしていくでしょう。実際にある建設会社の社長などは、はっきりと国に対して財政の援助まで求めています。
その結果、建築行政についての多くの批判を受け入れ、法改正、システム改革で、早急に対応していかねばなりません。
特に、検査機構です。検査がきちんとできていないとなると、一体、何を信じていいのやら・・・。
ひるがえって、弁護士もそうですが、専門職に対しては、ある種の「信頼」を持つことで、かなりの裁量をその専門職(あるいは専門職の集団)に与え、その結果、その業界が成り立っている、という傾向があります。それが、実際に融通のきく運営を可能にしているともいえます。
しかし、それもやはり信頼が基盤にあってこそのもの。フットワークの軽さ、という便宜ゆえに、信頼をないがしろにするわけにはいきません。しかし、そういえば、弁護士業界でも、名義貸しの事件があったばかり・・・。
数多くの「チェック」「監督」で縛らなければ、信頼ができない、というのは、なんとも不便な話ではあるのですが、ここまで価値観が多様化している時代、それも仕方ないことなんでしょうか。
あと、ついでに言えば、この一件で、ことマンションに関しては「安かろう、悪かろう」ということが今まで以上に常識になってくるでしょう。
マンション等の買い手に対しても、今まで以上の注意が要求されることになるかもしれません。