日々の歩み

2005年10月27日
判決と行列のできる法律相談所

 台湾と韓国のハンセン氏病患者の国(日本)に対する訴えに対する判決が、同じ日に、同じ東京地裁で出たのですが、全く逆の結論となりました。

 それぞれの判決が、どうしてそのような判断に至ったのか、詳細は判決を読んでみたいと思っています。
 
 このように、同種の事案でも全く別の判断が出ることは、今までにもあったことなのですが、同じ日に、同じ裁判所の別の部でこのような判決が出たことによって、高裁での統一的な判断が期待されることでしょう。

 いずれにしても、裁判所では、あくまでも現行の法律に照らした判断、あるいは法律に対する判断がなされるので、この判断を踏まえて、立法による早急な解決をはかる、というのが、最も根本的な解決になると思います。

 これは裁判所の話でしたが、少し話しかわって、「行列のできる法律相談所」というTV番組があります。私も、気がつくと見るようにしていて、一緒になって「どういう結論になるかなあ。」と考えては楽しんでいます。

 この番組が、弁護士にとって良い点は、「弁護士によって、意見が全く違う」ということを、大勢の視聴者の方が理解してくれる、ということ。そう思います。

 同じ事案を聴取しても、TVに出演しているたった4人の弁護士でも意見が分かれるのがわかるし、同じ意見でも、その意見に達するまでの理由付けが、結構違ったりするのですね。

 弁護士によって、同じ事案を聴取しても、結論の見通しが違ったりすることもあるし、結論に至るまでの方法論(たとえば、すぐに訴訟にするのか、話し合いで解決しようとするのか)も違います。

 そういうことが多くの人の知るところになれば、たとえば、弁護士に相談に来る人も、何人かの弁護士に話を聞いて、ある意味自分と「フィーリング」の合う弁護士を
選ぶ、なんていうことが、当たり前になるのでは?

 もちろん、「費用」の面も大事かと思うのですが、こと、弁護士という仕事の性質上、依頼者と弁護士の「フィーリング」の一致というのは、何よりも大切なことだと、私は思います。