日々の歩み

2005年10月17日
ダ・ヴィンチの時間

 六本木ヒルズ52階の森アーツセンターで、「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」をやっています。
 と言っても、絵画の展覧会ではなく、レオナルド直筆の原稿「レスター手稿」の展示会。この手稿の所有者は、あの、ビル・ゲイツなのです。
 このレスター手稿は、「鏡文字」といって、裏返しの筆跡で書かれているのです。どうやらレオナルドは両手効きで、左手でそのような文字を書いたのだとか。
 手稿の内容の多くは、「水」についてでした。
 水力の分析、水利についての分析をするためのいろいろな実験の内容が記されていて、展示内容にはそれらを再現して、実際に体験することができます。
 
 あとは、水に波紋が広がる様子を忠実に、入念にスケッチしたものが多くありました。
 数々の名画を残すかたわら、物理学、天文学、医学、その好奇心はとどまることを知らず、しかもすべて時代の先端を行く一流の研究成果を残していた人だったということは良く知られています。
 寿命の長い、短いは別にしても、時間だけはそれぞれの人間に平等に与えられるもの。
 レオナルドという人の時間は、いったいどんなふうに使われたんでしょう。
 手稿にびっしりと書き込まれた几帳面な鏡文字、挿入されているスケッチ画の数々、これらを、どういう時間を使って書き綴ったのでしょう。
 その足で、展望台から見た東京の夜景は、とても綺麗でした。
 こんなに高い建物は、レオナルドの時代には建てる術もなかったのでしょうけれど、レオナルドの目を通してみた世界は、魅惑的な興味の対象でいっぱいだったんでしょうね。
 いろいろと生きにくい世の中、って言われていますが、世の中に対する好奇心をもって生きること。そうしてみようと思います。

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