日々の歩み

2010年3月1日
オリンピック~フィギュアの採点

 毎日、楽しみにしていた冬期オリンピックが閉会しました。
 何と言っても盛り上がったのは、女子フィギュアスケートの浅田真央とキム・ヨナ両選手の対決でした。
 浅田選手にとっての結果は残念でしたが、インタビューを見て、今回こういう結果だったからこそ、さらに選手として上を目指す気概が感じられて、頼もしい限り!
 浅田選手は、どんなに不調なときも、体調が悪いときも、決して言い訳をせず、自分がやるべきことを努力してやり続け、成果を出し続けてきました。
 今、一番尊敬しているアスリートです!!
 ところで、オリンピックでは、フィギュア・スケートの採点が話題になっていました。
 あるテレビ局の番組は、浅田選手は、難易度度の高い技(トリプル・アクセル)に果敢にチャレンジするとともに、合間の演技も、よりハイレベルなものを取り入れていた、一方、キム選手は、トリプル・アクセルは取り入れず、自分が今できる技の完成度をひたすら高めた、という観点で、両方の演技を比較・分析していました。
 「なるほど!」と思ったのは、キム選手がショート・プログラムで指を鳴らす動作を入れていたのについて、単なる動作ではなく、「一息入れて、次の演技への切り替えをするための動作。」だった、ということ。
 確かに、真直ぐポーズを決めて指を鳴らすだけだから、それ自体が加点される技ではないけれど、そのポーズがあることで、自分を落ち着かせ、次の演技への息継ぎができるというのです。
 さて、この比較番組を見ていて、つい、司法試験の受験時代のことを思い出してしまったのでした(本当につまらない話になって申し訳ない!)。
 (旧)司法試験では、7科目で各2通、合計14通の論文を書かなければなりませんでした。
 そして、論文試験に通るために重要なのは、「ホームラン答案を書くよりも、コツコツと、一塁打でも良いから、アウトにならない答案を書くこと」だといわれていました。
 1つ、どれだけ出来の良い素晴らしい論文があっても、たった1つ、平均に達しない答案があれば、それだけでも試験に落ちてしまう、ということです。
 私は、「なるほど!」と思い、試験中一番心がけたことは、みんなが知っている判例や論点だけは絶対にはずさないこと、そして、何度も同じ問題を解いて、穴をなくすこと…。
 こうして、みんなができるものは必ず自分もできるようにして、コツコツと一塁打答案を書き続けること(ときにはフォア・ボールもあったかも)を心がけて、論文試験に無事合格することができたのでした。
 言ってみれば、浅田選手方式は、トリプルアクセルというホームランを飛ばそうとしたけれど、あまりにもすべての技の難易度が高く、減点されてしまった。
 一方、キム選手は、自分の持っているものを失敗なく出し切った、という感じでしょうか。
 こうやって書くと、本当につまんない話ですね…(汗)。
 しかし、他人から評価をしてもらう、ということは、そういうことなのでしょう。
 良いものは甲乙つけがたくて判断に困るいけれど、どちらかが失敗をすれば、堂々と、しかも簡単に、落とすことができるわけですから。
 しかし、浅田選手の魅力は、そんな司法試験などというレベルの話ではなく、やはりすべてホームランを跳ばして優勝をする、という底力がある、本当に類まれなる選手であるところにあるのです。
 すべてホームランを跳ばして、キム・ヨナ選手の点数をはるかに上回ってぶっちぎりで優勝する、という浅田選手の気概に本当に憧れるし、次は絶対にそれを実現してほしい!! と心から願っています。
 あと、何と言っても浅田選手の良いところは、誰にも負けない闘争心と持ちつつも、笑顔と柔らかい物腰で、それを感じさせないところ。
 そういう弁護士に、私もなりたいものです。

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