日々の歩み

2008年6月26日
いつまでたっても子供(6/26更新)

 実家まで1時間くらいで行ける距離なので、ときどきは実家に帰っています。
 「帰るね。」と連絡をするとき、母親は、毎回ではないものの「じゃ、アップルパイを焼いて待ってるね。」と言います。
 子供の頃から、おやつと言えば母親の作ったお菓子ばかりでした。
 学校から家に帰ってくると、アップルパイ、レモンパイ、チョコレートパイ、ドーナッツ、マドレーヌ、プリン、シュークリームなどなど・・・いろいろなお菓子が結構な確率で待っていました。
 高校受験の合格発表の日、自宅に帰ると、銀色のトレーの上に、たくさんのショートケーキがずらりと並んでいたのを見て感動したことも良く覚えています。
 もう甘いものに目がない私は、喜びいさんで食べまくっていたんですが、弟は、クールにも、母親の手作りお菓子は全く喜ばず、外で買ってきたスナック菓子ばかり食べていました。
 男の子ですねー。
 実家に帰ってアップルパイが焼いてあると、私などは大喜びなので、母親にとっては御し易い子供なんでしょう。
 すでに亡くなった祖母は、私が初孫だったこともあって、私のことをとてもかわいがってくれていました。
 祖父の喜寿のお祝いで、私や他の孫達も大集合した日のこと、食事会の帰り道、祖母は「他の子には内緒だよ。」と言って、私の手に「ボンタン飴の箱」をそっと握らせました。
 当時、私はもう30才に手が届く年齢で、他の孫(私の従兄弟たち)もみんな立派な成人。
 でも、祖母は、私だけにボンタン飴をあげたのを、他の孫がうらやましがるといけない、と思ったに違いありません。
 最初は思わず笑い出しそうになってしまいましたが、祖母の様子は真面目だったので、逆に泣き出しそうになってしまいました。
 祖母にとっても、孫達は、いつまでたっても「お菓子の取り合いで喧嘩する小さい子供」なんでしょうか?
 仕事柄、いろいろなご家族の歴史を知ることになります。
 どうしても事件になってしまう場合、思い出されることは、楽しかったことやうれしかったことではなくて、「自分はこういうことをしてあげたのに・・・」と、「自分はこんなことをされた。」という不本意だったり、不満だったりしたこと、になってしまいます。
 こんなふうに、今の自分、そして今の自分と家族との関わりが、過去の思い出の有り様をも変えてしまうのでしょう。
 私だって、今のところは、ほのぼのアップルパイのことを無邪気に思い出したりしていますが、こればかりはどうなるかわかりません。
 できれば、そういう無邪気な子供の気持ちをずって持っていられるように・・・と願うばかりです。

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